当社は、大阪大学大学院 工学研究科、理化学研究所環境資源科学研究センター他
との共同研究により、生薬「甘草」の基原植物を含むマメ科カンゾウ属植物が作る
有用成分グリチルリチンの生産性を左右する分子メカニズムの一端を解明しました。
なお、本研究成果は、日本植物生理学会誌「Plant & Cell Physiology」に掲載され、
同誌のEditor-in-Chief’s ChoiceならびにResearch Highlightsに選ばれました。
グリチルリチンは、カンゾウ属植物の地下部に含まれ、
砂糖の150倍以上とも言われる天然甘味成分です。
抗炎症作用などの薬理活性を有することが知られています。
カンゾウ属植物には、グリチルリチンを作るものがある一方で、
グリチルリチンを作らない(甘くない)ものも知られており、
種によってグリチルリチン生産性が大きく異なる理由については未解明でした。
今回、グリチルリチン生産性の異なるカンゾウ属植物で
グリチルリチン生成に関わる酵素の働きを調べたところ、
この酵素の働きのわずかな違いが、グリチルリチン生産性を
左右することが明らかとなりました。
グリチルリチンが作られないカンゾウ属植物由来の酵素の活性は、
生成機構が未解明な天然有用成分における代替生産法に利用できる可能性があります。
本研究の詳細はこちらのNews Releaseをご覧ください。
論文のアブストラクトはこちらをご覧ください。
図:CYP88D6とCYP88D15が触媒する酸化反応(大阪大学 澤井学博士提供)